横山緑はなぜ選挙に当選した?立川市議選の得票数と現在の活動を追う
インターネット配信の創世記から「暗黒放送」の看板を掲げ、カルト的な人気を誇ってきたニコニコ生放送のカリスマ配信者・横山緑。常に緑のジャージとトレードマークのパンダマスク姿で過激な放送を繰り広げてきた彼が、突如として地方議会議員選挙への出馬を表明し、見事に当選を果たした出来事は、日本の政治史およびネット史における最大の衝撃事件の一つとして今なお語り継がれています。
ネットの「お騒がせ配信者」は、なぜ有権者からの支持を集めて議席を獲得できたのでしょうか。本名である久保田学としての挑戦、NHK党(当時・NHKから国民を守る党)の立花孝志氏との関係、激動の立川市議選における得票数の詳細から、4年間の議員活動の実績、そして2026年現在に至る最新動向まで、その真相を克明に検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2018年の東京都立川市議会議員選挙において、本名の久保田学名義で出馬し、1,214票を獲得して初当選を果たした。
- 要点2:トレードマークのパンダマスクを脱ぎ捨てて素顔で挑み、徹底したドブ板選挙とネットファンの実票化によって大金星を挙げた。
- 要点3:1期4年の任期満了をもって政界を一区切りとし、現在は専業配信者として活動しながらも、今後の政治参画に関する動向が常に注目されている。
【出馬の真相】ニコ生配信者・横山緑が立川市議選に挑んだ経緯とNHK党との関係

「ニコ生界の帝王」と呼ばれた横山緑氏が政界進出を電撃発表したのは、2018年春のことでした。きっかけとなったのは、当時「NHKから国民を守る党」を率いて各地の地方選で旋風を巻き起こし始めていた立花孝志氏からの熱烈なスカウトです。
立花氏は、ネット空間で圧倒的な知名度と熱狂的なフォロワー層を持つインフルエンサーの政治的ポテンシャルをいち早く見抜いていました。一方の横山緑氏も、長年ネット配信の世界でタブーに切り込んできた自負があり、「既得権益に縛られた旧態依然とした地方政治に風穴を開ける」という大義名分に呼応する形で出馬を決断したと明かしています。
当時、多くのリスナーや一般市民は「どうせ配信の企画やネタだろう」「売名行為に違いない」と冷ややかに受け止めていました。しかし、本人は供託金を自ら用意し、正式な推薦を受けて立川市議会議員選挙への出馬準備を本格化させていきました。
【素顔と本名】久保田学として挑んだ選挙戦|パンダマスクを脱いだ覚悟

横山緑氏といえば、誰もが思い浮かべるのが顔を隠すパンダマスクです。しかし、公職選挙法に基づく正式な選挙活動において、候補者の身元確認や公正性の担保は厳格に求められます。そこで彼が下した決断が、本名である「久保田学(くぼた まなぶ)」としての素顔公開出馬でした。
配信者としてのアイデンティティであった覆面を脱ぎ、選挙ポスターや街頭演説に本名の「くぼたまなぶ」名義でスーツ姿で立つ姿は、ネットユーザーに強烈な驚きを与えました。トレードマークを捨てて素顔を晒す姿勢は、冷やかし半分だったファンの見方を「本気で当選を狙いにいっている」という確信へと変える決定打となったのです。
選挙期間中、久保田氏は毎朝の駅頭演説や市内の路地裏をくまなく歩く徹底的な辻立ちを展開。ネット配信の生中継を組み合わせながらも、泥臭いドブ板選挙を愚直にやり抜く姿が、現地有権者の目にも留まるようになっていきました。
【なぜ当選したのか?】立川市議選の得票数とネットを巻き込んだ勝因分析

2018年6月17日に投開票が行われた東京都立川市議会議員選挙(定数28)の結果は、全国の政治関係者を震撼させました。久保田学氏は有効投票数のうち1,214票を獲得し、全44人の候補者中26位で見事に当選を果たしたのです。
この大金星の背景には、主に3つの勝因が存在していました。
第1に、立川市内に居住する隠れリスナーや無党派層の確実な実票化です。ネットの呼びかけに応じた熱心な支持者が期日前投票を含めて確実に投票所へ足を運んだことが、当落線上の数十票を争う地方選挙において決定的なアドバンテージとなりました。
第2に、低投票率(当時36.85%)における組織票以外の隙間を突いた戦略です。投票率が低い選挙ほど、浮動票を少しでも取り込んだ候補が優位に立ちます。NHK党の掲げた明確なワンイシュー政策(NHK集金人の戸別訪問問題)と横山緑氏の知名度が合致し、既存政党に不満を持つ層の受け皿として機能しました。
第3に、SNSや配信を通じたリアルタイムの拡散力です。街頭演説の模様や選挙の裏側を生配信で公開し続けることで、選挙自体を一つの参加型ドキュメンタリーへと昇華させ、支持者の熱量を投票日まで維持し続けることに成功しました。
【議員時代の活動と実績】「覆面議員」のレッテルを覆した4年間のリアル
当選後、最大の注目を集めたのは「市議会本会議にパンダマスクを被って登壇するのか」という点でした。かつてプロレスラー議員などで議論となった覆面着用問題に対し、久保田市議は議場の品位とルールを尊重し、議会活動はすべて素顔の「久保田学」としてスーツ姿で出席する道を選択しました。
4年間の任期中、久保田氏は総務委員会や環境建設委員会などに所属し、以下のような具体的な活動を行いました。
本会議における一般質問では、市民から寄せられた身近な生活相談やインフラ整備の要望を積極的に取り上げました。特に、ネットいじめや未成年者のSNSトラブル防止に向けた情報モラル教育・リテラシー向上に関する提言は、長年ネットの光と影を見てきた配信者ならではの視点として一定の評価を得ています。
また、NHK党の地方議員として、市民から寄せられるNHKの集金トラブル相談に対応する窓口活動も継続。当初懸念されたような議会の混乱や極端なスタンドプレーを避け、公職としての責務を淡々と全うする姿勢を見せたことは、議会内外での信頼獲得につながりました。
【ネットの反応と波紋】配信者の地方選挙進出が政治に与えたインパクト
横山緑氏の当選劇は、その後の日本の選挙シーンに決定的な地殻変動をもたらしました。当時、ネット掲示板やTwitter(現X)では賛否両論が激しく渦巻きました。
支持層からは「既存の政治家がやらないことをやってくれた」「若者の政治関心を一気に引き上げた」と称賛の声が上がった一方、批判派からは「市政を配信のネタにしている」「おふざけが過ぎる」といった厳しい視線が注がれました。
しかし、この成功事例を皮切りに、YouTuberやVTuber、各種インフルエンサーが地方選挙へ次々と名乗りを上げる潮流が加速しました。知名度と発信力を武器に既存の政党組織を持たない個人が議席を勝ち取れることを実証した横山緑氏の選挙戦は、デジタル時代の選挙戦略における先駆的モデルケースとして記録されています。
【現在の活動と今後】政界引退後の歩みと今後の出馬予定・噂の真相
4年間の任期満了を迎えた2022年6月、久保田学氏は立川市議選への再出馬を行わず、惜しまれつつも議員職を退任しました。「1期4年間を全力でやり切った」として潔くマイクを置いた彼は、再び愛着のあるパンダマスクを被り、専業の配信者・横山緑としての活動を本格再開させました。
政界を離れた現在も、ニコニコ生放送やYouTube、各種大型配信イベントなどで最前線の活動を続けています。議員経験を経たことでトークの深みや時事問題に対する鋭い切り込みは増しており、配信者コミュニティにおける重鎮としての存在感は盤石です。
気になる「今後の政界復帰や選挙への再出馬」については、配信内でリスナーから問われるたびに「現状は配信業に全力を注ぐ」と語りつつも、「世の中の理不尽に対して言いたいことが溜まったら、またいつか立つかもしれない」と完全な否定は避けています。地方政治の流動化が進む中、横山緑という唯一無二のプレイヤーの次なる一手には、常に熱い視線が注がれ続けています。
【横山緑の選挙】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:横山緑は選挙のとき、パンダマスクを被ったまま出馬したのですか?
A1:いいえ、選挙ポスターや街頭演説、政見放送などはすべてマスクを外し、本名である「久保田学」として素顔で活動しました。市議会での本会議や委員会活動もすべて素顔のスーツ姿で出席していました。
Q2:立川市議選での具体的な得票数と順位はどれくらいでしたか?
A2:2018年6月17日投開票の立川市議会議員選挙において、得票数1,214票を獲得し、定数28人中26位で当選を果たしました。
Q3:なぜ2期目を目指さず、1期で議員を辞めたのですか?
A3:2022年6月の任期満了時、「4年間の任期を全力で全うした」として再出馬を見送りました。政治家としての活動に一つの区切りをつけ、原点であるネット配信活動に専念するためと本人が説明しています。
まとめ:配信者政治家の先駆けとなった横山緑の足跡
ネット黎明期のカリスマ配信者が、素顔と本名を晒して挑んだ立川市議選のドラマ。それは単なる売名やパフォーマンスの域を超え、既存の組織票に依存しない「ネット時代の新しい選挙の形」を有権者に見せつけた歴史的瞬間でした。
議員としての4年間を真摯に務め上げ、再び配信の原点へと戻った久保田学氏の歩みは、ネット文化と現実政治が交差した稀有な成功例といえます。デジタルメディアと政治の関係性がますます深まる現代において、横山緑が遺したインパクトと経験則は、今なお色褪せない価値を持ち続けています。 (出典: 横山 緑 選挙(Yahoo!ニュース))